UTM タグの役割
誰かがサイトに訪れたとき、アクセス解析では通常、どの Web サイトから来たのかはわかります。しかし、どのメール、どの広告、どの投稿をクリックしたのかまではわからないことがよくあります。その隙間を埋めるのが UTM タグです。リンクの末尾に付ける追加のパラメータで、たとえば次のようになります。
https://example.com/spring-collection?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=spring%20sale%202026
Google アナリティクス、Matomo、Plausible など、ほとんどのツールがこのタグを読み取り、訪問をグループ分けします。名前の由来は、Google が買収して Google アナリティクスの元になったアクセス解析製品 Urchin です。
UTM 生成ツールの使い方
- 「Webサイトの URL」欄にページのアドレスを貼り付けます。
https://を省略した場合は自動で付きます。 - 「キャンペーンの参照元」「キャンペーンのメディア」「キャンペーン名」を入力します。この3つは必須項目として表示されます。参照元とメディアの欄では、入力中に候補が表示されます。
- 必要に応じて「キャンペーン ID」「キャンペーンのキーワード」「キャンペーンのコンテンツ」を追加します。
- 「キャンペーン URL」欄から完成したリンクをコピーします。
値の書き方は2つの設定で調整できます。
- 値の中のスペース:スペースを
%20のままにするか、+で書くか、_や-に置き換えるかを選びます。 - 値を小文字にする:初期設定でオンです。
Newsletterとnewsletterがレポートで別々の行にならないようにします。
リンクの下には、整形後の値とともに各タグが一覧表示されます。必須項目が空の場合は警告が表示されます。
キャンペーン名に日本語を使うこともできますが、リンクの中では %E6%98%A5... のような長い文字列になります。たとえばキャンペーン名を 春のセール 2026 にすると utm_campaign=%E6%98%A5%E3%81%AE%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%AB%202026 になります。リンクを短く保ち、表記ゆれを防ぐために、haru_sale_2026 のような英数字の値にそろえるのがおすすめです。
6つの項目
| 項目 | パラメータ | 記録する内容 | 値の例 |
|---|---|---|---|
| キャンペーンの参照元 | utm_source |
訪問を送ってきた相手 | newsletter、google、facebook |
| キャンペーンのメディア | utm_medium |
チャネルの種類 | email、cpc、paid_social |
| キャンペーン名 | utm_campaign |
施策や目的 | spring_sale_2026 |
| キャンペーン ID | utm_id |
広告プラットフォームや計画で使う ID | abc123 |
| キャンペーンのキーワード | utm_term |
有料検索のキーワード | running shoes |
| キャンペーンのコンテンツ | utm_content |
キャンペーン内のどの広告・リンクか | blue_banner |
作成例
以下は、生成ツールを実行して作ったリンクです。
| 入力 | 結果 |
|---|---|
キャンペーン「Spring Sale 2026」、スペースは %20 |
...&utm_campaign=spring%20sale%202026 |
同上、スペースを _ に置き換え |
...&utm_campaign=spring_sale_2026 |
同上、スペースを + に |
...&utm_campaign=spring+sale+2026 |
| 値を小文字にしない | utm_source=Newsletter&utm_medium=Email |
| キャンペーン「Q4 & more」 | utm_campaign=q4%20%26%20more |
元のパラメータやフラグメントは残ります。アドレス example.com/shop?ref=home#reviews に、参照元 facebook、メディア paid_social、キャンペーン black_friday、コンテンツ blue_banner を指定すると、次のようになります。
https://example.com/shop?ref=home&utm_source=facebook&utm_medium=paid_social&utm_campaign=black_friday&utm_content=blue_banner#reviews
仕組み
生成ツールは、入力されたアドレスを、ページ、クエリ文字列、# 以降のフラグメントの3つに分けます。クエリ文字列から古い utm_ パラメータを取り除き、残りはそのまま保持します。
各値は前後の空白が削除され、連続したスペースは1つにまとめられ、大文字小文字とスペースの設定が適用されます。そのうえで、JavaScript の encodeURIComponent と同じルールでエンコードされるので、&、#、? のような文字でリンクが壊れることはありません。たとえば、キャンペーン名に含まれる & は %26 になります。
タグは、参照元、メディア、キャンペーン名、ID、キーワード、コンテンツという決まった順番で並びます。# 以降の部分はサーバーに送られないため、フラグメントは末尾に戻されます。
命名のコツ
- メディアの値は短いリストで決めておきましょう。 Google アナリティクス 4 は、メディアの値でトラフィックをデフォルトのチャネルグループに振り分けます。
email、cpc、social、paid_social、referral、displayのような値なら正しいグループに入ります。blastのような独自のメディアは「Unassigned」(未割り当て)になります。 - 区切り文字は1種類に。 複数の単語からなる名前には、アンダースコアかハイフンのどちらかを選んで統一しましょう。
- 小文字にそろえましょう。 初期設定のままなら自動でそろいます。
- 後から見てもわかる名前にしましょう。
ss26v2よりspring_sale_2026の方がわかりやすいです。 - 作ったリンクは一覧表に記録しておきましょう。 次の四半期に推測で悩まずに済みます。
- タグに個人情報を入れないでください。 URL に含めたメールアドレスや氏名は、ログやレポートに残ってしまうことがあります。
そのほかの UTM タグの付け方
多くのメール配信サービスや広告プラットフォームには、UTM タグを自動で付ける機能があります。表計算ソフトでは、=A2&"?utm_source="&B2&"&utm_medium="&C2 のようにセルを連結する数式でリンクを作れます。ただし、スペースや記号は Excel の ENCODEURL などを使って自分でエンコードする必要があります。
JavaScript では、URL オブジェクトでパラメータを設定できます。
const u = new URL('https://example.com/spring-collection');
u.searchParams.set('utm_source', 'newsletter');
u.searchParams.set('utm_campaign', 'Spring Sale 2026');
これで ...?utm_source=newsletter&utm_campaign=Spring+Sale+2026 になります。searchParams はスペースを + で書き、小文字への変換は行わない点に注意してください。
関連ツール
リンクのエンコードを手作業で確認・修正するには、URLエンコード・デコードを使ってください。キャンペーンのタイトルをすっきりした値にするには、スラッグ生成ツールを試してください。印刷物には、タグ付きのリンクを QRコードにして、qr のようなメディアを指定すれば、読み取りによるアクセスを区別して集計できます。