このツールでできること
エムダッシュ(U+2014)は、英文で文を中断したり、補足を挟んだり、急な転換を示したりするのに使う長いダッシュです。句読点として何の問題もない記号ですが、エムダッシュのないテキストが必要な人は少なくありません。編集者やスタイルガイドによってはカンマやかっこを好みます。プラットフォームによっては変な記号として表示されます。さらに、AI の文章作成ツールがエムダッシュを多用するため、自分の文章らしく読めるようにエムダッシュを取り除く書き手も増えています。
このツールは、テキスト中のすべてのエムダッシュを見つけ、選んだ句読点に置き換えます。短いエンダッシュ(U+2013)も同じように処理し、数字の範囲に使われたダッシュは普通のハイフンに変えます。
なお、このツールの置き換えルールは英文の句読法に合わせて作られています。日本語の文章で使われる2倍幅のダッシュ(全角のダッシュを2つ重ねたもの)もダッシュとして検出されますが、「カンマ」を選ぶと半角のカンマとスペースが入り、たとえば「彼は[ダッシュ2つ]黙った。」が「彼は, 黙った。」になります。日本語の文章では、検索と置換ツールで「、」に置き換えるか、手作業で直す方が自然な仕上がりになります。
使い方
- テキストをテキスト欄に貼り付けます。整えた結果がエムダッシュを除いたテキスト欄に表示されます。
- ダッシュの置き換えで、カンマ、セミコロン、前後にスペースを入れたハイフン、ハイフン、スペースのいずれかを選びます。
- オプションを確認します:エンダッシュも対象にする、数字の範囲はハイフンに、連続したハイフンも置き換える。
- コピーまたはダウンロードを押します。
ツールの下には、置き換えたダッシュの数が表示されます。
置き換え先の選び方
カンマは、ほとんどの文に合うため初期設定になっています。補足を挟む2つのエムダッシュは、2つのカンマと同じ働きをします。ダッシュの前後のスペースは先に取り除かれるので、カンマ1つとスペース1つにきれいに置き換わります。次の文字がすでにピリオドなどの句読点の場合、カンマは追加されません。
セミコロンは、2つの完結した考えをつなぐダッシュに向いています。
前後にスペースを入れたハイフンは、普通のキーボードのハイフンを、前後にスペースを1つずつ入れて置きます。どのキーボードにもある文字だけで、元の見た目に最も近くなります。
ハイフンは、スペースなしのハイフンで単語をつなぎます。
スペースは、ダッシュを単純にスペースに置き換えます。
変換例
この表の [em dash] と [en dash] は、実際の文字を表しています。
| 入力 | 結果 |
|---|---|
| The plan[em dash]if it works[em dash]will save hours. | The plan, if it works, will save hours. |
| It was fast [em dash] really fast. | It was fast, really fast. |
| He paused[em dash]then laughed. | He paused, then laughed. |
| Wait for it[em dash]. | Wait for it. |
| [em dash] Who said that? | Who said that? |
| We are open 9[en dash]5 on weekdays. | We are open 9-5 on weekdays. |
| Read pages 10[en dash]20 first. | Read pages 10-20 first. |
It works -- mostly.(連続したハイフンも置き換える:オン) |
It works, mostly. |
最初の文をほかの置き換え先で変換した結果です。
| ダッシュの置き換え | 結果 |
|---|---|
| セミコロン | The plan; if it works; will save hours. |
| 前後にスペースを入れたハイフン | The plan - if it works - will save hours. |
| ハイフン | The plan-if it works-will save hours. |
| スペース | The plan if it works will save hours. |
置き換えの対象になる文字
- エムダッシュ(U+2014):常に対象です。
- ホリゾンタルバー(U+2015)と 2倍・3倍のエムダッシュ(U+2E3A と U+2E3B):見た目が似ているため、同じように扱います。日本語の文章でダッシュとして使われるのは、多くがこのホリゾンタルバーかエムダッシュです。
- エンダッシュ(U+2013)と数字幅のダッシュ(U+2012):「エンダッシュも対象にする」がオンのとき対象になります。
- 単語の間にある2つまたは3つ連続したハイフン:「連続したハイフンも置き換える」がオンのとき対象になります。エムダッシュのつもりで
--と入力する人は多く、それを自動でエムダッシュに変えるソフトもあります。
「数字の範囲はハイフンに」がオンの場合、1990 to 1995 をエンダッシュで書いたときのように2つの数字の間にあるダッシュは、選んだ置き換え先に関係なく、スペースなしのハイフンになります。
コツと注意点
- 結果を読み直す。 ほとんどの場合はカンマで正解ですが、いつもそうとは限りません。リストや説明の前のダッシュはコロンの方が読みやすいかもしれませんし、文を唐突に終えるダッシュにはピリオドが必要かもしれません。そうした少数の箇所は手作業で直してください。
- 対になったダッシュは対のままに。 補足を2つのダッシュで挟んだ文では、両方ともカンマになるので、文のバランスが保たれます。
- カーブした引用符や三点リーダーなど、ほかの特殊な句読点はプレーンテキスト変換で整えられます。
- 任意の単語や記号をピンポイントで置き換えるなら、検索と置換ツールが便利です。
- ダッシュだけでなくすべての記号を一度に削除したい場合は、記号削除ツールを使ってください。
エムダッシュの入力と自動変換を防ぐ方法
ワープロソフトは、エムダッシュを自動で入れることがよくあります。Microsoft Word では、単語の間に入力したハイフン2つが、入力中にダッシュに変わります。これを止めるには、「ファイル」、「オプション」、「文章校正」、「オートコレクトのオプション」の順に開き、「入力オートフォーマット」タブで、ハイフンをダッシュに置き換える項目のチェックを外します。Google ドキュメントにも、「ツール」の「設定」にある「自動置換」に同様の設定があります。
Word で既存のダッシュを削除するには、「検索と置換」を開き、「検索する文字列」に ^+(Word でエムダッシュを表すコード)を、「置換後の文字列」にカンマとスペースを入力します。エンダッシュには ^= を使います。Google ドキュメントでは、「検索と置換」の検索欄にダッシュそのものを貼り付けてください。
コードでは正規表現を使えば処理できます。JavaScript では text.replace(/\s*\u2014\s*/g, ', ') で、各エムダッシュとその前後のスペースをカンマとスペースに置き換えます。Python では re.sub(r'\s*\u2014\s*', ', ', text) を使います。